■ 「朝5時起き」で人生を変えたかった私
きっかけは、あるYouTube動画。
「成功者はみんな朝早く起きている」というフレーズに心をつかまれた。
その日から私は決意した。
「明日から、毎朝5時に起きて朝活する」
手帳にスケジュールをびっしり書き、目覚ましを2個セット。
“朝に人生を変える”ワクワクが、私の背中を押していた。
しかし──結果から言えば、3日で挫折した。
■ 第1日目:「完璧すぎた朝」が落とし穴
初日、気合いで起床。眠い目をこすりながら白湯を飲み、
YouTubeで「モーニングヨガ」を流し、ゆったり呼吸。
そのあとは、おしゃれなカフェでコーヒーをテイクアウトしながら出社。
「私、なんかすごく丁寧に生きてる!」
そう思った。
でも、夕方には地獄が訪れた。
昼過ぎから眠気で集中力が切れ、
業務の進捗がガタ落ち。
帰りの電車でスマホを落としかけた。
■ 第2日目:テンションだだ下がりの朝
目覚ましの音が爆音に聞こえた。
頭が痛くて体が重い。
眠い目で無理やり顔を洗っても、昨日のような爽快感はない。
なぜか「何のために起きてるんだっけ?」と自問する始末。
ヨガの時間は、体が硬くて逆にストレス。
「昨日はあんなにキラキラしてたのに、今日はもう“修行”か?」と自虐モード。
仕事ではミスを連発。
上司のちょっとした注意にも、心がズーンと沈んだ。
■ 第3日目:寝坊。そして、罪悪感
この日、ついに目覚ましを無意識に止めていた。
起きたのは7:40。いつもと同じ時間。
当然、朝活はできなかった。
でも、不思議と心は軽かった。
「あれ? 普通の時間に起きるって、こんなに楽なんだ」
そして思った。
「私は“理想の朝”を生きたいんじゃなくて、“自分に合った朝”を探してたんだ」
■ 朝活の“リアルな落とし穴”5選
以下、私が体験した朝活の落とし穴をまとめてみる。
❌ ① 睡眠時間を削っていた
「早起きする=偉い」みたいな錯覚。
でもただの睡眠不足では、集中力も気力も持たない。
❌ ② SNSで“理想の朝”に影響されすぎた
インフルエンサーの朝は美しい。
でも、自分には自分のテンポがある。
映えより“機能性”が大事だった。
❌ ③ コンテンツ詰め込みすぎ
英語の音読、ヨガ、瞑想、日記、ランニング…
1時間でできるわけないのに、全部やろうとして自滅。
❌ ④ 本当は夜型なのに無理した
「朝活=正義」の空気に流されたが、
自分は夜にこそ集中できるタイプだった。
❌ ⑤ 「朝活できなかった日」の自己否定
できなかった日、自分を責める。
本末転倒もいいところ。
■ 朝活は“自分仕様”にカスタムせよ
大切なのは、“朝に何をするか”ではなく、
“どう過ごせば自分がごきげんか”を知ること。
たとえば、
・朝8時にゆっくり起きて、音楽を聴きながらコーヒーを飲む
・朝に「何もしない日」をつくる
・10分だけ日記を書く
これだって立派な“朝活”だ。
人と比べる必要なんて、どこにもなかった。
■ 結論:朝活、やめてもいい。でも、“自分の朝”は諦めないで
私は「早起き至上主義」はもう卒業した。
でも、朝の時間が持つ“静けさ”と“特別感”は、やっぱり好きだ。
だから今は、“ちょっとだけ丁寧に過ごす朝”を目指している。
5分のストレッチでも、1杯の白湯でも、
それが私の心を整えてくれるなら、それでいい。
もしあなたが朝活に疲れているなら、こう伝えたい。
「無理しなくていい。あなたの朝は、あなたが決めていい」